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Channel: はたらく日本の女性を元気にするブログ! Produced by WOMenLABO
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目標は数字だけでは失敗する。メンバーの「なりたい姿」を引き出す、木田流 マネジメント

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エン・ジャパンには、男女問わず部下から厚い信頼を寄せられる男性がいます。


木田章範さん。新事業である『engage』の現場責任者を務めるマネージャーです。

 

木田さんの部下は半数が女性だといいます。性別に関係なく愛される理由を探るため、木田さんにお話を聞く機会をいただきました。


一見クールに見える木田さんですが、話してみるととても気さくな方。実際に木田さんの印象を部下のみなさんへ聞いてみると、「新人もベテランも分け隔てなく話してくれる」「飲み会でのノリがいい」との評判。


もしかして、親しみやすさが人気の理由なのでしょうか?木田さんのマネジメント術に迫りました。


【プロフィール】木田章範(きだ あきのり)。2006年に入社し、6年間エン転職の法人営業として活躍。2012年には人事へ異動し、4年にわたって中途採用に関わる。その後、新事業『engage』の責任者となり、現在もグループマネージャーとして約50名のマネジメントに携わっている。


目標は、メンバーの「なりたい姿」とセットにする

誰よりもメンバー1人ひとりの成長を考えてくれる。木田さんの直属のメンバーにお話を伺った時、みなさん口をそろえていってました。具体的にはどんなことをされているのでしょうか。

「そういってもらえているのは、すごくうれしいですね。大事にしているのは、目標設定の面談です。とくに個々の”将来のキャリア”を深堀りするようにしていて。どんな人になりたいのか、どんな仕事ができる人になりたいのかを一緒に考えるようにしているんです。

組織の目標はもちろん大事ですが、メンバーには自分のキャリアと紐付けて目標を自分ごとにしてほしい。そのほうが「自分に足りないスキル」を伸ばそうとするし、主体的に考えて動こうとする。個人としても、組織としても強くなると考えています。

 

コンサルタントとして一流になるでもいい。メンバーが納得して決められるまで一緒に対話したいと思ってますね」

メンバーと向き合うことが、組織としても強くなる、と。ただ、実際時間も限られているなかで、コミュニケーションを取るのは大変では?

「個人的にはメンバーとのコミュニケーションは、マネージャーとして重要な役目だと捉えているので「大変」というふうには捉えてないかもしれません。

 

目標設定の面談で終わりではなく、ミーティングだったり、1on1だったり、普段のコミュニケーションのなかでもメンバーの「なりたい像」をベースにするように心がけています」




結果だけですべてを評価しない。

メンバー1人ひとりのことを本気で考えている木田さん。メンバーからは、思ってもみなかったときに褒めてくれることが嬉しいという声もありました。

「思ってもみないとき…もしかしたら達成していないときのことかもしれませんね。数字の目標は未達でも、チャレンジしたことでデータやノウハウが溜まることにつながるとも捉えられる。それは、みんなの前できちんと評価を伝えるようにしています。

今の部署に限った話ではないのですが、特にengageは新規事業。途中で目標が変わったり、今まで誰もやっていないミッションに挑戦したりする人が多いので、結果と同じくらい過程も見るように心がけていますね

 





部下に相談する

他にメンバーと普段コミュニケーションをする中で、気をつけていることはありますか?

指示を出すというより、役割分担をするイメージで接するようにしています。徹底力がある子にはリーダーを任せたり、何でもやってみようという子には新しいことを任せたり。メンバーごとの強みを知っているから、任せるねって」

自分の得意なことを任せてもらえるって、メンバーからすると頼ってもらえる感じで嬉しいですよね。

メンバーのことを尊敬しているので、正直分からないからどうしようという相談もよくしますよ。それで良い意見がでればすぐに反映しますし」

部下を尊敬しているって、なかなか言えないです…!上司という立場だと、部下の意見を採用するのは複雑なのかと思っていました。

「自分にないものを持っているので、素直にすごいと思いますよ。メンバーの意見を聞くと視野が広がるので、それは素直に自分の武器が増えたと捉えています」




1人ひとりの違いを考えて、要望する。

今までのお話で、部下のキャリアや強みをかなり深く理解されているんだなと感じました。やはり、面談や普段の仕事ぶりで把握されるんでしょうか。

「職場での様子はもちろん見ていますけど、飲み会などにも積極的に参加するようにしていますね。話す機会をたくさん設けると、メンバーの新しい価値観を知ることも、思っていなかった悩みを知ることもあります」

新しい価値観や悩みとは、どんなことでしょう?

「人それぞれ、当たり前って違うんですよ。同じ目標でも、ついていくのに必死の人も、高い業績を出すのが当たり前の人もいる。それは比較したらいけないけど、違いは意識します。どうしたらできるのか、個人にあわせてこちらで伝え方や要望度を調整するんです」

徹底的に個人と向き合っているんですね。木田さんのマネジメントは、常にメンバー個人が起点になっている気がします。

マネジメントは、人の可能性を見出すことだと考えています。客観的に見ればすごいことでも、自分では気づけていない子がいる。それを教えるのでも伸ばすでもなくて、可能性を見出して、最大化してあげるのが上司の役割。そのために、まずは強みやなりたい姿を把握して、1人ひとりを知ることからはじめているんです」



【編集後記】
クールに見えて、誰よりも部下のことを考えている木田さん。紹介しきれなかったのですが、メンバーのみなさんからは他にも木田さんの好きなところが届いています。

「器が大きい」
「プライドが高くない」
「よくメモをとっているのが好印象」
「自分が成り上がろうという気持ちではなく、事業や組織を良くしたい、メンバーを成長させたいと思って動いてくれている」

――などなど。
部下からここまで信頼されている木田さんのマネジメント術、ぜひ真似してください。


自分の殻を破って掴んだ社長賞。「デキる営業」を進化させた大号泣事件

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こんにちは。コピーライターの佐藤です。

突然ですが、「自己肯定感」って言葉、ご存知ですか?すごくカンタンに説明すると、「私は私でいいんだ」と、自分で自分を認めてあげること。これが、意外とむずかしいなって思うこと、ありませんか?


たとえば…
・信頼してくれる上司の期待に応えたいのに、成果が出せない時
・慕ってくれる後輩にカッコいい背中を見せたいのに、うまくいかない時
 
「私って、なんてダメなんだろう」「カッコ悪いし、恥ずかしい」と自分を責めてしまった経験が、誰もが一度くらいはあるはず。
 
今回ご紹介する式地さんも、そんなふうに葛藤していた時期があったそう。2019年、社長賞を受賞した式地さん。いつも笑顔でエネルギッシュなイメージですが、つい半年ほど前には同僚全員の前で大号泣した…なんて事件も?
 
「あのときは、これまで経験したことがないくらい恥ずかしかった(苦笑)。でもおかげで、すごくラクになりました。"嫌われたくない" って思いから解放されて、飾らない自分を出せるようになりました」
 
活躍する式地さんに、「自然体で仕事を楽しむコツ」について聞きました!
 
【プロフィール】式地麻衣子(しきち まいこ)
新卒で『エン転職』営業としてエン・ジャパンに入社し、今年で6年目。入社2年目にはリーダーに昇格した。さらに翌年には「渉外チーム」に異動し、新しいミッションに挑戦。2019年9月、その業績が評価され、社長賞を受賞した。
 

「カッコいい先輩」「カッコいい上司」でいたかった、営業時代

 
『エン転職』の営業として、新卒入社した式地さん。1年目から成果を出し、2年目にはリーダーに昇格。彼女は、当時の自分をこう振り返ります。
 
「社会人になって、初めて挑戦した営業。毎日出来ることが増えていくので楽しかったです。上司や先輩にやってごらん、と言われたことをそのままやれば、成果が出せた。だからこそ、自分は熱くなったり、泥臭く努力したりかっこ悪い姿を見せずにそつなくこなせるタイプなんだと思い込んでいました。今思えば、成功体験を積みやすい環境を周りが作ってくれていて、それに乗っかっていた部分も大きかったと思うんですけど…」
 
営業としての自信がついた入社3年目の冬、思いがけない新天地への異動の打診が。『エン転職』を提案する販売パートナー企業のサポートする「渉外チーム」立ち上げに伴って、その第二期生に選ばれたのでした。
 

新天地へ、「失望されたくない」という思いが足かせに

社内では比較的新しい部署にミッションに挑戦することになった式地さん。立ち上げから間もない組織では、体制やフローなど、未整備の部分も少なくなかったといいます。
 
「異動後の業務は、パートナー企業でエンの商材を提案してくれる営業さん達の相談に乗ることでした。たとえば "『エン転職』の機能について教えてほしいんですけど" とか "ロープレしてほしい" とか。1日で着信履歴の上限がいっぱいになるくらい、たくさん相談をいただいていたんです。だから頼りされている、力になれているという実感も当時はありました」

新たなミッションに挑む日々。順調に組織が立ち上がる中で、営業としての目標数字もあがっていきます。

「いままで営業としてやってきた経験を通して、『エン』のブランドを一生懸命伝えていました。ただ、ある時それだけでは通用しなくなってしまった。業績が上がらなくなってきたんです」

そんな中、式地さんを動かしたのが上司の何気ない一言でした。
 
“とにかく受け身だよね”って。ハッとしたし、なんだか図星だったんですよね。私はどんな時も、ソツなくやれる自分でいたかった。それを見透かされたみたいでショックだったんです
 

同僚の前で大号泣、素直な自分に向き合った

今までの「自分のやり方」にこだわり、業績を出せない自分。もやもやと悩む日々が続く中で、あるとき彼女は決意をします。

「今が受け身なら、反対に攻めの姿勢になればいいんじゃん、って。もう"待ってるだけ"の自分から卒業しようって思いました。」

そして式地さんは大胆な行動に出ます。

「部署の同僚が全員集まった場で、みんなの前に出て「私、変わります!!」て宣言した。もう受け身やめます!攻めに変わります!って。悔しいやら恥ずかしいやらで、途中から涙が止まらなくなってしまって…みんなもびっくりしていました(笑)」

背景には、式地さんの考え方の変化がありました。

「一通り悩んで、吹っ切れたんです。今までの自分は、言ってみれば質問に答えるだけの人。多分、嫌われることが怖くて、自分からぐいぐい行ったらウザがられるんじゃないか?ってことばかり気にしてたんですね。ただ、そのまま続けていても、何も解決しないんじゃないかなと。もやもやし続ける自分がもう嫌だったんです。みんなの前で宣言すれば、もう後戻りできないですもんね(笑)」

 

やるべきことはシンプルだった

その後の行動が早いのが、式地さんのステキなところ。

パートナー企業の営業さんが今何に困っているのか、どうすればもっと「エン」のブランドを提案してもらえるのか、「もっとお力になれませんか」と、気持ちを伝えていったのだそう。
 
そして式地さんの「変わります宣言」は、周囲の行動も少しずつ変えていきます。
 
「後輩が私の仕事を引き継ぐといってくれて。そのおかげで私は、パートナー企業と向き合う時間をもっと作れるようになりました。上司もたくさんアドバイスをくれた」

そういった中で大きな気付きがあったといいます。

「気づいたんです。「ソツなくこなせる自分でいなきゃ」という暗示をかけていたのは自分自身だったんだって。それにパートナー企業さんや上司、同僚に素直な自分をさらけ出したら、今までよりもぐっと信頼関係が深くなった。自分の恥ずかしいところを見せたのに、ガッカリされるどころか、より深い話ができるようになったというか」

自分の殻を破ることで、自然体で仕事を楽しめるようになったという式地さん。異動前の姿しか知らない人からは、「変わったね」と驚かれることもあるんだとか。

"自分はこうあらねば"という変なプライドを捨てたことで、シンプルになったんだと思います。この人たちのために何ができるだろう?と考える時間が多くなって、気づいたら自分のことをグルグル考えているヒマがなくなっていました(笑)。今はやりたいことがハッキリしてるし、弱音も素直に吐ける。肩の力が抜けてラクになりました。正直、昔より忙しいけど、その分楽しいです。」
 
全社表彰される活躍の裏側には、自分を受け入れて変わること。さらに、支えてくれる人達への深い信頼と感謝があったんですね。


<編集後記>
毎日頑張っている人ほど、「もっと頑張らなくちゃ」「みんなの信頼を裏切れない」と、自分にプレッシャーをかけてしまいがち。でも勇気を出して「最近ちょっとつらいんだよね」「またこんな失敗しちゃった」なんて、カッコ悪いところも周りのみんなに見せてみたら、式地さんのような転機が訪れるかもしれません。多忙になりがちな年度末。自分の頑張りを褒めてあげながら、肩の力を抜いて仕事を楽しんでいきたいですね。
 
取材・文 / 佐藤遥
編集・撮影/平野潤

キャリアダウンなんて言わせない!リーダーをおりた私がこじ開けた、「ハイプレーヤー」の道

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こんにちは。コピーライターの青木です。


 20代後半になり、同僚とキャリアについて話す機会が増えてきました。コピーライターの道を極める?マネジメントの経験も積む? ……私自身、一度はマネジメントに挑戦したものの、「1人のプレーヤーとして背中で語れる成果を出せていないままじゃダメだ」と感じ、プレーヤーに戻った経験があります。
 

とはいえ、思い描いたような成長実感が得られず「このまま進んでいけるのかな?」と悩む日も。
 

同じように、
「チャレンジリーダーをしているけど、うまくいかない」
「リーダーにならないと、成長が止まっているように感じる」
とお悩みの方は、少なくないはず。
 

今回お話を聞いた営業の相澤知美さんも、そんな風に悩んだことのある1人です。
 

2020年1月、社長賞ベストプレーヤー賞を受賞した相澤さん。壇上で語った「ハイプレーヤーのロールモデルになりたかった」という言葉は印象的でした。
 

そんな彼女にお話を聞くと、「最初はメンバーの次はリーダーになるのが当たり前!と思っていたんです。でも、大事なのはリーダーになることよりも自分がどうなりたいか、だったんです。キャリアを考えたときに、私はハイプレーヤーのロールモデルになりたかった。今では素直にそう思えています」


力強く語ってくれる相澤さんに、「自分の戦い方の見つけ方」について聞きました。
 

【プロフィール】相澤 知美(あいざわ ともみ)
前職は、ウェディングプランナー。2016年にエン・ジャパンに営業として入社。メンバーとして通算3回MVPを獲得し、わずか1年でチャレンジリーダーになるも、再びメンバーとして歩むことを決意。チームを異動し、またしても通算3回MVPに輝く。2020年には、社長賞ベストプレーヤー賞受賞。

 

 

追うべきものがなくなり、心にぽっかり穴があいた
 

「自分で言うのもおこがましいですが……次にリーダーになるのは私だなって思っていたんです」
 

『エン転職』の営業として中途入社した相澤さん。入社から半年後には、3ヶ月連続で部署内MVPを受賞。その活躍ぶりは上層部からも注目され、周囲のメンバーよりも早く「チャレンジリーダー」になる話が持ち上がりました。
 

「せっかくならリーダーになりたいし、なるんだろうなと思っていました。何より私は、営業の仕事が大好きで。リーダーになれば自分の担当クライアントだけじゃなく、チームメンバーのクライアントまでサポートできる。最高じゃんって、リーダーになることがすごく楽しみだった」
 

しかし、相澤さんを待ち受けていたのは、想像とは違ったリーダー生活でした。
 

「リーダー業務を行なっているとお客さんに会える時間が減っていたし、どんなリーダーになりたいのかが曖昧になっていたんです」
 

周囲に期待される一方、自分のキャリアについて本気で悩み始めたという相澤さん。
 

そして、数ヶ月のチャレンジリーダー期間が終わるとき、彼女が選んだのは、再びプレーヤーに戻る道でした。
 

「正直、あぁ、キャリアダウンしちゃったなって思いました。当時、リーダーに挑戦してからプレーヤーに戻った人って、多くはなくて。社内でキャリアップしていくとしたら、リーダーを経て管理職になる道だけ。プレーヤーに戻っちゃったら目標もないし、何のために働けば良いんだろう?と分からなくなってしまって……」 
 

先輩すら追い抜いてチャレンジリーダーに選ばれ、活躍を期待されていた順調すぎる日々から一転。あえてリーダーの道を進まない決断をしたことで、追うべき目標を見失ってしまった相澤さん。
 

「あのときは、もう毎日、憂鬱でしたね」
 

と当時を振り返ります。


 

 

 「このチームの顧客リスト、ぜんぶ私にください」
 

プレーヤーに戻り、先の見えない日々を過ごしていた相澤さん。彼女を支えていたのは、やはり目の前のお客さまでした。

「一度リーダーを経験したからこそ、お客さんと向き合える喜びをより強く感じられるようになったんです。やっぱり私は営業の仕事が好きなんだなって」

とにかく1社でも多くの企業を幸せにしたい。そこで彼女が起こした行動は、「誰よりも高い目標を掲げる」こと。
 

「チームの顧客リストをぜんぶ私にくださいって、上司に無茶を言ってお願いしました(笑)とにかく私がたくさんのお客さんを幸せにしたい!と思って。大好きなお客さんに向き合うことで、少しずつ新しい目標が見えてきたんです」
 

また、「環境を変えたことも、前に進めるきっかけになったと思います」と彼女は当時を振り返ります。


「入社からプレーヤーに戻ったばかりの頃までは、新規への提案がメインの部署にいたんですね。そこから、少し規模感の大きいクライアントに対して継続的に採用活動を支援する部署に移らせてもらって」
 

「新しい環境なので、営業手法も違い、当然できないことが多くありました。でも、だからこそ自分の知識やできることの幅が広がっていく実感が持てた。“新しいステージ”に進めた気がしたんです」
 

思い切って環境を変え、自ら高い目標を掲げる。そうして彼女は、徐々に入社当初の気持ちを取り戻していきます。
 

「この環境で、きちんと業績を出そう、1番になろう。自分自身がキャリアの成功事例になりたい!という新しい目標が出来ました」

 

 

 

こじ開けた「ハイプレーヤー」として道
 

自信を取り戻した彼女は、次々にMVPを獲得。再び高い成果を上げていきます。


もう、相澤さんを「リーダーになれなかった人」と言う人はいない。「ハイプレーヤー」として認識される存在になっていったのです。
 

彼女の考え方にも、少しずつ変化が現れます。
 

「ハイプレーヤーとして、組織に何か還元できることはないだろうか。そう考えるようになって。自分の持っているノウハウを独り占めするんじゃなくて、周囲のメンバーに共有していこうと勉強会を開催したんです。相澤の勉強会だから、“アイザップ”とマネージャーが名付けてくれました(笑)」
 

業績の面から組織を牽引することはもちろん、その中で得たものを組織に還元していった相澤さん。

 

リーダーではなくとも、ハイプレーヤーだからこそ他の人の模範となって存在感を示していくことはできる。それが確信に変わった瞬間でした。
 

彼女はこう続けます。
 

「リーダーというキャリアだけではなくて、もっといろんなキャリアがあるべき。そして、ハイプレーヤーで活躍している人にももっとスポットが当たってもいいんじゃないかと思うようになりました」

 

 

自分のキャリアは、自分で掴みとれる
 

「ハイプレーヤーのロールモデルになりたい」


社長賞の受賞式で、まっすぐこう言った彼女。「自分が社長賞をとることで、キャリアに悩んでいる人の背中を少しでも押したかった」と、心境を語ってくれました。
 

「今までって、キャリアアップというとリーダーになる選択肢しかないと思っていました。でも私がそうだったように、ステップアップしたくても、リーダーよりプレーヤーに向いている人もいる。リーダーという道を選ばなかった自分が生き生きと働いて、ハイプレーヤーとして活躍することで、“こんな道もあるよ”と示したかったんです」


成果を出し続けられる力がある人が、キャリアに悩み辞めていってしまう。そんな状況を目の当たりにしたこともあるという相澤さん。
 

選択肢はいくつもあるし、自分のキャリアは、自分で掴みとることができる。相澤さんの社長賞受賞は、私たちにそんな可能性を教えてくれたように思います。
 

「仮にいま、キャリアに悩んでる人がいるなら、まずは自分がどうなりたいか一度立ち止まって真剣に考えてみると良いんじゃないかって思うんです。結果、それがリーダーじゃないとできないことならリーダーになればいいし、私のように方向転換するのもアリだと思う。自分なりの組織貢献の仕方を、前向きに模索していくことが大事なんじゃないでしょうか」
 

 

編集後記


 営業とコピーライターは、採用活動における求人広告制作でタッグを組む “相方” のような存在です。私はこれまで、相澤さんのお客様の求人を担当する機会が何度もありました。そのときの相澤さんは、いつもテキパキとしていて丁寧な仕事ぶり。勝手に「失敗をすることがない、1人で何でも完璧にこなせる人なんだろうなぁ」と思っていました。


そのため、思い通りにいかないチャレンジリーダー期間や、悩みながら働いていた時期のお話は意外に感じました。でも、浮き沈みがあったから、彼女は「戦うフィールドを変える」という新しい道を見つけられたのだと思います。かつての相澤さんと同じようにキャリアに迷っている人にも、挫折を味わって立ち止まってしまった人にも、きっと役立つ考え方ではないでしょうか。
 

 

取材・文 / 青木みさき
編集・撮影/林玲菜

今までの自分は捨てる!育休復帰後2年でトップセールスになるまで。

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こんにちは、名古屋オフィス コピーライターの加藤です。


女性として将来のキャリアを考える上で、「結婚・出産後も働き続けられるか」は、どうしても悩んでしまうもの。時短勤務で働くとしたら、今より短い時間で、会社に必要とされるだけの成果が出せるのか…正直、私はまだ自信がありません。


時短勤務でも成果を出している方は、どんな工夫をされているのか。それを知りたくて、訪ねたのは、同じ名古屋オフィスのトップセールス、福島奈穂さん。


6歳の息子さんと3歳の娘さんを育てながら、育休復帰後2年で社長賞(*)を受賞した営業です。


私も何度も一緒にお仕事をしているのですが、とにかくお客様へ向き合う方。たとえば求人広告を掲載し、思うような採用成果が出なかった時も、お客様から逃げることなく、次の提案をしに行かれます。その姿を、いつもかっこいいなと思って見ていました。


いつも前向きで、ずっと高い成果を上げている方…という印象だったのですが、育休から復帰した直後はかなり苦労されていたとのこと。そこからいったい、どうやってトップセールスになったのでしょうか。


(*)社長賞は、四半期に一度、シンボリックな活躍をした社員に贈られる賞。

 

 

【プロフィール】福島奈穂(ふくしまなお)
2007年に新卒でエン・ジャパンに入社。中途採用支援事業部(現:中途求人メディア事業部)にて求人広告の営業を5年勤める。その後、途中で産休・育休をはさみながら、人材紹介のキャリアパートナー、求人広告制作のための取材を行なうディレクター、新卒の育成を行なうトレーナーなど幅広い職種を経験。第二子の産休・育休復帰後には、7年ぶりに求人広告の営業へ復帰し、名古屋オフィスのトップセールスとなっている。

 

想像以上だった、時間のなさ

第二子の産休・育休後、7年ぶりに営業へ復帰された福島さん。今まで経験した職種の中では、営業が1番、子育てとの両立がむずかしそうと感じていたそうです。どうして、もう一度営業へ戻られたのでしょうか。

「7年も経つと、商品もマーケットの状況も変わっているので、今の環境でも成果を出せるか、チャレンジしてみたくなって。でも実は、やりたい!と強く言ったわけじゃないんです。育休復帰前の面談で、久しぶりに営業やってみたいかも…と、ぼそっと言ったら決まってしまって(笑)」

明るく当時のことを話す福島さん。しかし、復帰直後は本当に大変だったといいます。

「きつそうとは思っていましたが、思っていた以上でした。時短勤務で、営業として成果を出すためには、圧倒的に時間が足りない。もっとしっかり商談準備をしたいのに、今までの6割くらいの準備しかできなくて…」

「今日は時間を取って頑張れそうだと思った日に、保育園から連絡があって早退しなければいけなかったり、慣れない生活で体調を崩してしまって、せっかく取ったアポイントへ行けなかったり…。そんな状況だから、成果にもつながらなかったんです」

 

なりたい「営業像」とのギャップ

福島さんにとって、理想の営業とはお客様を第一に行動できる人。そんな福島さんにとって、時短勤務は大きな壁だったといいます。

「今まで私は、お客様に全力で向き合うことで成果を出してきました。そのスタンスは、今でも変わりません。ただ、昔は遅くまで会社に残り、他の営業より倍以上の時間をかけることが、私の向き合い方でした」

「でも、今の私は時短勤務です。子育てと両立するためには、どうしても以前のように時間はかけられません。時間でカバーする方法しか知らなかったので、時短勤務の営業は、自分がなりたかった”営業像”じゃないと感じてしまいました」

実際に、なかなか成果にもつながらず、ずっとつらい思いをしていたそうです。そのまま半年が過ぎ、福島さんの中である疑問が生まれるようになります。

「本当に、私は仕事を続けたいのかなって…。続けたいから復帰したはずなのに、営業として成果は出ない。余裕のなさでイライラして、子どもに怒ってしまうこともありました。営業としても、ママとしても、上手くできない自分がイヤでした」

「ママ、あきらめちゃダメだよ」

仕事を続ける理由がわからなくなり、福島さんはついに仕事を辞めることを決意します。最初にその気持ちを伝えたのは、4歳の息子さん。保育園があまり好きではないようで、見送りをする時にいつも泣いていた子だったそうです。

「正直、息子に話したら絶対に賛成されると思って話しました。保育園のお迎えが他の子たちより遅いのも、ずっと不満そうにしていたので…」

しかし、息子さんは意外な言葉を返します。

「ママ、あきらめちゃダメ。やめちゃダメだよって言われました」

「私が仕事を続けることで、一緒に過ごす時間は少なくなってしまうのに、それでも私のために言ってくれたんだと思います。それなら、やらなきゃいけないなって思い直しました」

 

私でなくてもいい仕事は、人に任せていい

息子さんの言葉で、改めて仕事を続ける決意をした福島さん。しかし、成果が上がらないという課題は解決していません。時短勤務の中で効率よく営業活動をするために、今までの仕事のやり方を変える必要がありました。

ある日、福島さんは以前の営業時代に、先輩から言われたことを思い出します。

「”外を向いて仕事をしなさい”ってよく言われていたんですよ。迷ったら社内より、社外のためになることを優先したほうがよいって。お客様ともっと向き合う時間をつくりたいなら、社内の助けを借りなくてはいけないのかもと思いました」

そこで福島さんは、アシスタントに仕事を全然頼んでいなかったことに気づきます。

「7年前はそれほど分業が進んでいなかったこともあって、アシスタントに仕事を切り出すことに抵抗感があったんですよね。ただ、実際に依頼をしてみると、”私でなくてもいい仕事”がいっぱいあることに気づきました。求人広告の応募効果が分かる分析シートの作成をしてもらったり、手書きで書いた企画書を、パワーポイントにしてもらったり。アシスタントに任せたからって、質が変わることもありません」

やがて福島さんはグループで1番アシスタントに仕事を依頼する営業に。そうしてできた時間を、お客様と向き合う時間につかうようになりました。

タスクは、すべて書き出す

お客様と向き合う時間をつくるために、福島さんは他にも実践されていることがあります。それが、タスクを徹底的に書き出すこと。

「タスクが発生した段階ですべて紙に書き出して、今日中にやることと、明日やることを切り分けるんです。書き出しただけでは不安なので写メを撮って保管して、Webスケジュールにも登録します。やりすぎかもしれないですが、心配性なので…」

最初はとにかく忘れなくて書き出していたそうですが、それは効率的なタスク管理にもつながりました。

「メモしたタスクを見て、常にデスクに戻ったら次は何をやる、その次はこれをやる…って考えているんです。通勤中でも、商談帰りの電車の中でも、頭の中はいつも次は何をやるかでいっぱい。それは時短勤務の中で、効率的に仕事をすることにつながっていると思います」
 

成果が上がり始めて、気づいた自分の強み

復帰から10ヶ月くらい。アシスタントへの依頼の効果もあったのか、少しずつ成果が上がるようになってきた福島さん。そこで、自分の強みに気づいたそうです。

「いろんな職種の仕事を経験してきたことが活かせていたんです。人材紹介でキャリアパートナーをしていたことで、求職者の気持ちが分かるから、選考方法に関する提案ができます。求人広告の取材をするディレクターをしていたから、広告のことが分かります。いろんな視点で、お客様の相談にのれたんです」

復帰してからずっと、お客様の相談にのっていた福島さん。受注という成果につながっていない間も、少しずつお客様から信頼を獲得していました。そして、その信頼の結果が、10ヶ月目でようやく成果にも現れるようになったのです。

 

育休復帰後2年でつかんだ、社長賞

自分の強みを時短勤務の中でも活かせるようになった福島さん。成果はぐんぐん上がり、名古屋オフィスのトップセールスに。その結果、社長賞も受賞しました。

「じつは、はっきり狙っていたわけではなかったんです。ただ名古屋オフィスを盛り上げたい気持ちが強く、賞に立候補しました。大変だったから認められたかったという気持ちもあります(笑)」

「あとは、賞をとって、時短勤務の営業のことを知ってもらうことで、もっと働き方の幅が広がると良いなぁと思ったんですよね。在宅勤務とか、フルコミッションとか、自分のためにも、後輩社員のためにも、もっと道をつくりたいなと思っています」


 

【編集後記】
分からないことがある時は、中途入社4年目で、何個も下の後輩である私にもよく質問してくれる福島さん。ご本人は「心配性だから、つい聞いてしまう」とおっしゃっていましたが、ためらいなく後輩を頼れる方は、じつはそんなに多くないのではないかと思います。

もしかしたら、今回お話を伺った「迷ったら社内より、社外のためになることを優先したほうがよい」という考え方が鍵となっているのかもしれません。社外のお客様のためなら、仮に社内で「先輩なのに知らないんだ」と思われたとしても(思ったことはないですが)、聞いたほうがお客様のためになると考えられているのかもしれませんね。

こうした考え方や、タスク管理の仕方は、時短勤務で働く方はもちろん、そうでない方も参考にできること。私も、実践してみたいと思います。

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